第262章

島宮奈々未はさっきまで、島宮雪乃も今回ばかりはようやく自分に絡んでこず、狙う相手を間違えなかったのだと褒めてやろうかと思っていた。ところが、ほんの一瞬で――また巻き込まれた。

 腹の大きい島宮雪乃は見た目に反して力が強い。奈々未の腕をがっしりつかみ、意地でも離さない。

 ちょうど二人が立っているのは三階の廊下の端。螺旋階段に面した吹き抜けで、高さは三層分。ここから落ちれば、命が助かってもただでは済まない。

「島宮雪乃……恩を仇で返す気? せっかく外に出してあげたのに、私まで道連れにするつもりなの」

 雪乃だって怖い。もう二度と檻の中には戻りたくない。けれど、林川天一が別の女と結婚する...

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